2008
Nov
25
25
不都合な真実
[Y]2006 / [D]デイヴィス・グッゲンハイム / [M]アル・ゴア / [A]アカデミー(歌曲賞) / [A]アカデミー(ドキュメンタリー長編賞) / [A]全米批評家協会(ドキュメンタリー賞) / [A]LA批評家協会(ドキュメンタリー賞) / [A]放送映画批評家協会(ドキュメンタリー賞)
AN INCONVENIENT TRUTH
ストーリー
政治家時代からライフワークとして地球温暖化問題に取り組んできたアル・ゴア。講演の模様を主にしたドキュメント。
レビュー
地球の危機として講演している内容は、ともすれば、現実に取材し科学的な根拠を基にしてはいても、因果関係を証明できないものとされてしまう(イギリスの高等裁判所が「9カ所の部分で科学的根拠が乏しい」と注意を促す判決を出している)。しかしながら、これらがあくまで啓蒙とするならば、多少の論理の飛躍や誇張があってもさして問題ではないと思う。その意味で言葉を武器に生きて来た政治家の本領を遺憾なく発揮し、プレゼンの方法としても秀逸なものを提供している事を考えれば、大成功のPRだろう。やっていることはマイケル・ムーアと同じだ。問題を単純化し、善と悪みたいな物に集約していく所など全く同じ手法だ。そう考えると啓蒙活動とはしょせんこういう物だし、それから先は受け取った個人が考え、調べ、行動することなんだろね。
こうした環境問題はもう現在では確実に”政治”の問題だが、例えば民間レベル特に主婦の方々なんかけなげだと思うよ。明らかに車の排気ガスと産業活動で排出されるCO2に手を付けなければならない問題であるにもかかわらず、「何かできないだろうか」ってせっせと分別収集に協力し、なんだか良く分からないけれどもレジ袋の有料化にも協力してるんだよ。涙出そうだよ。こういうのは国民性だろうか?世界の政治家とか知ってんのかね?ま。不都合だからな。
ちょっと穿った見方をすると、なんとなく民主党の選挙対策の一環的な匂いがしなくもないかな。それとノーベル賞は選定した人達のファインプレーだね。ゴアにノーベル賞を与える事でアメリカ国内が啓蒙され、結果としてアメリカがCO2削減に向かうなら御の字だもんね。