Vanity Fair 悪女 (ユニバーサル・セレクション2008年第10弾) 【初回生産限定】

ストーリー

知略を生かして上流社会へのし上ろうとする女。その潔い生き様。

レビュー

ウィリアム・サッカレーの『虚栄の市』の映画化。ほとんど原作とリースを筆頭に俳優陣の演技力で持っているようなもの。ドビンとアメーリアの関係は昼メロちっくだし、ステイン侯爵プロデュースのダンスシーンなど「痛い」としか言いようがない。厳しい指摘だとは思うが、基本的にはある一定のレベルは保っている。全体的なトーン、美術、衣装、撮影、それぞれは合格ラインにある。それをいじくり回して、レベルを下げてしまった残念感が否めない。

おそらく原作はもっとどろどろしてるんだと思う。で、そこから監督は女性の強さとかひたむきさみたいなことを汲み取ったのだと思う。それはそれでいいのだけれど、あまりにも中途半端。話の筋を追うあまり、伏線としてあった誤解が唐突に解けてしまったり、一体誰に焦点をあてているのかよくわからなかったりした。一方で、この女性の潔さはよく現れていたと思う。凛として背筋を伸ばしている様、は充分に伝わってきた。武士は食わねど高楊枝、なのだと。んで、ちょっと美化しすぎちゃったのでないだろか?そうする事によって欲望とか上昇思考という人間くささが、全く無くなってしまっている。何かとっても残念でならない。

リース・ウィザースプーンはうまいなー。ウォーク・ザ・ラインで感動して、他の出演作をレンタルしようとして、間違えてブリタニー・マーフィーの「アップ・タウン・ガールズ」なんて超駄作を借りてしまった事が悔やまれる。かぶらない?ぶりたにーと。