2009
Jan
21
21
隣のヒットマン
The Whole Nine Yards
ストーリー
殺し屋の女房に惚れた。彼女を守る。自分の全ての力を使って。。。チャンドラーが贈る珠玉のハードボイルド。
レビュー
美しいお話なんだろうか?友達の奥さんを寝取った歯医者。離婚を罪と考える旦那ははたして悪なのだろうか。もちろんそれは現代的ではない。離婚率が50%を超えるような世界にあっては、チャンドラーの横恋慕は充分に正当性を持ちえるのだろう。一方で、そうはいいながら、キュートなアマンダ・ピートと一緒になる為にちょっと怒って見せてるブルースが一番大人なんだろうか?ヒットマンであるブルースは、「死んでいった奴(自分が殺した)はどうでもいい、生きている奴(お前)とどう付き合うかが大事なんだ」ってなことを言う。一見とても綺麗に思われるこうした言葉が実はアイロニーに満ち溢れているのと同様に、歯医者の行動もまた、大いなる矛盾に満ち溢れているのではないだろうか。
原題の『The Whole Nine Yards』は全てとか全部という慣用句
モデルみたい(元モデル)なナターシャ・ヘンストリッジが惚けたというか上気した表情を見せる所が良い。監督の腕か、彼女の才能か、あるいは引き出したのはチャンドラーか?
続編は『The whole Ten Yards』。前作へのオマージュ感が強すぎるのと、結局はお金目的って所に着陸してしまったことが残念。