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ストーリー
殺し屋の女房に惚れた。彼女を守る。自分の全ての力を使って。。。チャンドラーが贈る珠玉のハードボイルド。
レビュー
美しいお話なんだろうか?友達の奥さんを寝取った歯医者。離婚を罪と考える旦那ははたして悪なのだろうか。もちろんそれは現代的ではない。離婚率が50%を超えるような世界にあっては、チャンドラーの横恋慕は充分に正当性を持ちえるのだろう。一方で、そうはいいながら、キュートなアマンダ・ピートと一緒になる為にちょっと怒って見せてるブルースが一番大人なんだろうか?ヒットマンであるブルースは、「死んでいった奴(自分が殺した)はどうでもいい、生きている奴(お前)とどう付き合うかが大事なんだ」ってなことを言う。一見とても綺麗に思われるこうした言葉が実はアイロニーに満ち溢れているのと同様に、歯医者の行動もまた、大いなる矛盾に満ち溢れているのではないだろうか。
原題の『The Whole Nine Yards』は全てとか全部という慣用句
モデルみたい(元モデル)なナターシャ・ヘンストリッジが惚けたというか上気した表情を見せる所が良い。監督の腕か、彼女の才能か、あるいは引き出したのはチャンドラーか?
続編は『The whole Ten Yards』。前作へのオマージュ感が強すぎるのと、結局はお金目的って所に着陸してしまったことが残念。
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製造:テレビ東京メディアネット
発売日:2002-05-22
(おすすめ度)
妻をレイプされ殺されたと思い込んでいる男。記憶障害というハンデを抱えながらその犯人を探し出し殺そうと手がかりを追う
レビュー
時間軸をずらす手法で、一度見ただけでは理解しがたい。監督は「ちょっとづつ時間が遡ってるだけ」というようなことを言っていたのだけれど、???ともかく、人間の記憶の曖昧さとそれを補ういい加減で都合の良い記憶の補完みたいなことは非常に上手く表されていたように思う。
ドラッグとか記憶喪失みたいなのって何でもありになっちゃうからあんまり好きじゃないのだけれど、そういった人の脆さ・儚さといったところに焦点があって味わい深い。