21
ストーリー
殺し屋の女房に惚れた。彼女を守る。自分の全ての力を使って。。。チャンドラーが贈る珠玉のハードボイルド。
レビュー
美しいお話なんだろうか?友達の奥さんを寝取った歯医者。離婚を罪と考える旦那ははたして悪なのだろうか。もちろんそれは現代的ではない。離婚率が50%を超えるような世界にあっては、チャンドラーの横恋慕は充分に正当性を持ちえるのだろう。一方で、そうはいいながら、キュートなアマンダ・ピートと一緒になる為にちょっと怒って見せてるブルースが一番大人なんだろうか?ヒットマンであるブルースは、「死んでいった奴(自分が殺した)はどうでもいい、生きている奴(お前)とどう付き合うかが大事なんだ」ってなことを言う。一見とても綺麗に思われるこうした言葉が実はアイロニーに満ち溢れているのと同様に、歯医者の行動もまた、大いなる矛盾に満ち溢れているのではないだろうか。
原題の『The Whole Nine Yards』は全てとか全部という慣用句
モデルみたい(元モデル)なナターシャ・ヘンストリッジが惚けたというか上気した表情を見せる所が良い。監督の腕か、彼女の才能か、あるいは引き出したのはチャンドラーか?
続編は『The whole Ten Yards』。前作へのオマージュ感が強すぎるのと、結局はお金目的って所に着陸してしまったことが残念。
17
ストーリー
2人の銀行強盗とそれに加わってゆく女。お気楽・クライム・ラブ・コメディ
レビュー
アメリカン・ニューシネマを意識しているとかいうと鼻で笑われちゃうよ。あくまで、おちゃらけコメディだね。お泊り強盗って言葉もなんかね、どうでしょ。いや、でも楽しい映画だと思うよ。クライムな映画ってどういう種明かしにするかって問題があると思うんだけど、無難にそしてハッピーに乗り切ったって感じでしょうか。
いつもいつもあくの強い役を(おそらく好んで)演じているケイト・ブランシェットだけど、これは大人しいな。大人しいというか、かわいい女を演じてる。
そして、ビリー・ボブ・ソーントンていうと、Uターンのあの暑苦しく鬱陶しい修理工だよね。癖のある役やらせたらものすごいってことね。