2009
Apr
03
03
ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記
[Y]2007 / [D]ジョン・タートルトーブ / [M]ニコラス・ケイジ / [F]ダイアン・クルーガー / [M]ジョン・ヴォイト / [M]ジャスティン・バーサ / [F]ヘレン・ミレン / [M]エド・ハリス / [M]ハーヴェイ・カイテル / [M]ブルース・グリーンウッド
National Treasure: Book of Secrets
ストーリー
映画館で見るための娯楽映画の正しいあり方
レビュー
アクションがあって、でも死人は出なくて。愛があって、でもSEXはなくて。謎解きがあって、でも私利私欲のためじゃなくて。そして最もすばらしいのは、アメリカの歴史をみせること(、でも本当か嘘かわからない)だ。その歴史を家族・祖先に対する敬愛の延長線上のものとしてリンクさせた所が勝因ではなかろうか。
ヨーロッパに対する歴史コンプレックスはまあいいとして、自国の噂や陰謀は常に興味をそそる。あたかも史実にのっとったように話を展開することはちょっとした知的好奇心を刺激し同時に”眉唾”であるという事を忘れさせてくれる。そもそも作り物であるので正しくなくて構わないし、むしろ観客はこれは虚像だということをよくわかっている、という認識を正しくもち、その間隙を上手く突いた構成になっている。そういうテクニカルな事はあるのだけれど、歴史という観点の最終目的はナショナリズムの高揚みたいなことだと思う。嘘か本当かとかはどうでもよく、歴史を探る事そのものが、自らの拠って立つ場所の正当性とか誇りといった部分を満足させたのではないだろうか。
ちょっと間違えると非情に”危うい”映画だ。見方によってはちょっと”気持ち悪い”映画。それを、これだけ、ショウアップしてみせている、所謂、ハリウッド映画、エンターテイメント映画、に仕立て上げているのはなかなかな事だと感心せずにいられない。
増えたな、髪の毛。無くてもセクシーだったのにね。ニコラスの出演作中一番売れた作品らしいよ。