2009
Apr
03
National Treasure: Book of Secrets ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記 2-Disc・コレクターズ・エディション [DVD]

ナショナル・トレジャー 特別版 [DVD]

ストーリー

映画館で見るための娯楽映画の正しいあり方

レビュー

アクションがあって、でも死人は出なくて。愛があって、でもSEXはなくて。謎解きがあって、でも私利私欲のためじゃなくて。そして最もすばらしいのは、アメリカの歴史をみせること(、でも本当か嘘かわからない)だ。その歴史を家族・祖先に対する敬愛の延長線上のものとしてリンクさせた所が勝因ではなかろうか。
ヨーロッパに対する歴史コンプレックスはまあいいとして、自国の噂や陰謀は常に興味をそそる。あたかも史実にのっとったように話を展開することはちょっとした知的好奇心を刺激し同時に”眉唾”であるという事を忘れさせてくれる。そもそも作り物であるので正しくなくて構わないし、むしろ観客はこれは虚像だということをよくわかっている、という認識を正しくもち、その間隙を上手く突いた構成になっている。そういうテクニカルな事はあるのだけれど、歴史という観点の最終目的はナショナリズムの高揚みたいなことだと思う。嘘か本当かとかはどうでもよく、歴史を探る事そのものが、自らの拠って立つ場所の正当性とか誇りといった部分を満足させたのではないだろうか。
ちょっと間違えると非情に”危うい”映画だ。見方によってはちょっと”気持ち悪い”映画。それを、これだけ、ショウアップしてみせている、所謂、ハリウッド映画、エンターテイメント映画、に仕立て上げているのはなかなかな事だと感心せずにいられない。

増えたな、髪の毛。無くてもセクシーだったのにね。ニコラスの出演作中一番売れた作品らしいよ。


2009
Feb
12
The Truman Show トゥルーマン・ショー(通常版) [DVD]

ストーリー

圧倒的なパワーで管理しようとする側、そこから必死で逃れようとする者、それを興味本位で楽しむ人々。それぞれを軽いタッチで表現しつつ、強烈に皮肉る。

レビュー

基本的にはメディアの暴走とか、それを支える大衆の覗き見願望とかそういった際限のない欲望の危険性を表現したものだ。人がテレビという媒体とどう向き合って行くか、を問いかけている。所詮は”消費”でしかなく、強い刺激を求め、飽きれば捨てる、そういう行動様式をこそ笑っている。
ジム・キャリーは作られた世界を捨ててリアルな世界に行くのだけれど、最後にお辞儀をする。このお辞儀は、彼もまた作られた登場人物のひとりとして29年間を演じてきた事の表れだとするならば、やっぱり視聴者(劇中人物ではなくこの映画を見ていた我々)は上手く騙されちゃったということになりはしないだろうか。
そこまで穿った見方をしないにしても、経済的な成功を背景に管理する側と自由を求める個人いう構図は決して虚構の世界ではない。非人間的な要求も例えば成功のためというような言葉にかき消され、一方で、地球の裏側に楽園を夢見る労働者は、なんと見慣れた光景か。だからこそ、一見、脱出の成功が感動的に見えるのだけれど、そのことと、死んだはずの親父との再開に違いを見つけなければならない。。。どこにある?

ジム・キャリーがね、親戚のおじさんに似てて。。。どうにかならんものかと。。。


2008
Jul
22
A History of Violence ヒストリー・オブ・バイオレンス

ストーリー

暴力の世界に生きてきた男があるきっかけでその世界に引き戻される。その時家族は?妻は?愛は暴力に対抗できるのか。

レビュー

暴力的なバックグランドをもっているかではなく、暴力を使った時点でその報いとか先々には暴力でしか解決を見ないのだよ、という世界観は、一方でヒーローに祭り上げ、一方でマフィアを嫌悪するという大衆の意識をあざ笑うかのようでおもしろい。そうした逃れがたい暴力という因縁と愛の対比というのがテーマなんだろう。ね。
でもさ、過去ってそんな簡単に清算できないでしょ?だからこそきっちり片付けてからでしょ?一方で、例え暴力な世界の住人だったとしても、自分が愛したのは大人しく誠実な男なんでしょ?それでいい(過去なんてどうだって)じゃん?とか思うな。。。つまり、なんだか当たり前のことが淡々と行われてる風でして。まぁ。はい。

マリア・ベロが良い!キャリー・アン・モスとお友達らしい。