2008
Jul
04
The New World ニュー・ワールド コレクターズ・エディション

ストーリー

イギリスからの入植者とアメリカン・ネイティブであるポカホンタスの愛の物語。美しい映像とごく控えめな語りは特徴的。

レビュー

監督の特徴である美しい映像とかはまぁ良いとして、ロマンスとしてなかなか楽しめたよ。
物語の粗筋としては、ほぼポカホンタスの生涯に沿った形で進行していく。彼女が洗礼を受けたり、イギリスへ行ったりするのは、冒険的な事業に対する投資家を探すための出資者たちによる宣伝だった、のが真実だったとしても、彼女の感受性の豊かさや知的なものに対する好奇心だったのだ、といったふうにうまく処理されていたと思う。
さて、肝心のろまんすだが、ロマンス部分だけは完全に創作である。微妙な三角関係として最後を描いてはいるものの、やっぱりスミスって特別だな。ってことじゃないでしょか?”お転婆な”彼女は最初も最後もハイドアンドシークで楽しんじゃってる。素敵な洋服を着ていても木に登っちゃって降りてこない。つまり彼女の本質は何も変わっていないと。その間に起こった出来事を考えると、ロルフのほうがいいよ。普通に考えて。でも愛とか恋ってそんな理屈じゃない。そもそも入植者ってなんだって話だよ。日本人にとっての黒船到来だよ。そりゃ驚くでしょ。りょうまもびっくりだっちゅーの。言葉もままならない、自分にとって全然都合良くない、いやそういう相手だからこそあなたと一つだとなった。だから最後にスミスのもとを本当に去る覚悟をした時に死が訪れてくるのは当然の帰結なのである。
ちょっと気付いちゃったのだけど、二人ともジョンだね。ジョンって言われて間違えちゃったってことはないよね。・・・ないね。

クオリンカ・キルヒャーは当時15歳なんだって!!!よ。クリスチャン・ベールは役得だね。コリン・ファレルはなんというか、もうひとつパッとしないのは気のせい?


2008
Jun
21
プレステージ コレクターズ・エディション ストーリー

クリストファー・プリーストの「奇術師」の映画化。舞台は19世紀のロンドン。二人の天才マジシャンの確執・騙し合い・復讐・そして破滅。どんでん返しの連続で引っぱるも”タネ”には興醒めか?

レビュー

種明かしみたいな事に拘ると「パフューム」みたく何がなんだかわからなくなってしまう。ここで描かれるのは、”ショー”というものの本質であり、科学との対比であると思う。そういう意味では、科学が今日ほど確立されていないという時代設定は重要である。二人の男の異常なライバル心は狂気ではあるものの、それこそが人々の賞賛を得ていったともいえる。しかし、そうしたバックステージは実はどうでもいいのである。なぜなら、大衆は「何も見ようとしない」し、「騙されていたい」ものなのだから。マジックとは、何も無いよと”確認”させ、驚かせるべく”展開”するだけでは十分でなく、元に戻さなければ賞賛は得られないものだという。あたかもマジックの如く話を組立てたのは監督の力量だろうか。マイケル・ケインのちょっとあざとい最後の演技は気になるよね。とっても。
メメントの監督だけに時間軸のシャッフルは見事だったし、スカーレット・ヨハンソンの男に甘えた感じみたいな演技は上手いなーと感心。一番は、あれだな、SFでもあるだけにね、いつ、ヒュー・ジャックマンが変身するのか気になってしょうがないってことかな。。。変身しないけど。