21
クリストファー・プリーストの「奇術師」の映画化。舞台は19世紀のロンドン。二人の天才マジシャンの確執・騙し合い・復讐・そして破滅。どんでん返しの連続で引っぱるも”タネ”には興醒めか?
レビュー
種明かしみたいな事に拘ると「パフューム」みたく何がなんだかわからなくなってしまう。ここで描かれるのは、”ショー”というものの本質であり、科学との対比であると思う。そういう意味では、科学が今日ほど確立されていないという時代設定は重要である。二人の男の異常なライバル心は狂気ではあるものの、それこそが人々の賞賛を得ていったともいえる。しかし、そうしたバックステージは実はどうでもいいのである。なぜなら、大衆は「何も見ようとしない」し、「騙されていたい」ものなのだから。マジックとは、何も無いよと”確認”させ、驚かせるべく”展開”するだけでは十分でなく、元に戻さなければ賞賛は得られないものだという。あたかもマジックの如く話を組立てたのは監督の力量だろうか。マイケル・ケインのちょっとあざとい最後の演技は気になるよね。とっても。
メメントの監督だけに時間軸のシャッフルは見事だったし、スカーレット・ヨハンソンの男に甘えた感じみたいな演技は上手いなーと感心。一番は、あれだな、SFでもあるだけにね、いつ、ヒュー・ジャックマンが変身するのか気になってしょうがないってことかな。。。変身しないけど。
07
製造:テレビ東京メディアネット
発売日:2002-05-22
(おすすめ度)
妻をレイプされ殺されたと思い込んでいる男。記憶障害というハンデを抱えながらその犯人を探し出し殺そうと手がかりを追う
レビュー
時間軸をずらす手法で、一度見ただけでは理解しがたい。監督は「ちょっとづつ時間が遡ってるだけ」というようなことを言っていたのだけれど、???ともかく、人間の記憶の曖昧さとそれを補ういい加減で都合の良い記憶の補完みたいなことは非常に上手く表されていたように思う。
ドラッグとか記憶喪失みたいなのって何でもありになっちゃうからあんまり好きじゃないのだけれど、そういった人の脆さ・儚さといったところに焦点があって味わい深い。