プレステージ コレクターズ・エディション ストーリー

クリストファー・プリーストの「奇術師」の映画化。舞台は19世紀のロンドン。二人の天才マジシャンの確執・騙し合い・復讐・そして破滅。どんでん返しの連続で引っぱるも”タネ”には興醒めか?

レビュー

種明かしみたいな事に拘ると「パフューム」みたく何がなんだかわからなくなってしまう。ここで描かれるのは、”ショー”というものの本質であり、科学との対比であると思う。そういう意味では、科学が今日ほど確立されていないという時代設定は重要である。二人の男の異常なライバル心は狂気ではあるものの、それこそが人々の賞賛を得ていったともいえる。しかし、そうしたバックステージは実はどうでもいいのである。なぜなら、大衆は「何も見ようとしない」し、「騙されていたい」ものなのだから。マジックとは、何も無いよと”確認”させ、驚かせるべく”展開”するだけでは十分でなく、元に戻さなければ賞賛は得られないものだという。あたかもマジックの如く話を組立てたのは監督の力量だろうか。マイケル・ケインのちょっとあざとい最後の演技は気になるよね。とっても。
メメントの監督だけに時間軸のシャッフルは見事だったし、スカーレット・ヨハンソンの男に甘えた感じみたいな演技は上手いなーと感心。一番は、あれだな、SFでもあるだけにね、いつ、ヒュー・ジャックマンが変身するのか気になってしょうがないってことかな。。。変身しないけど。