2009
Mar
13
The Good Shepherd グッド・シェパード [DVD]

ストーリー

CIA創設期に活躍した男の一生。ピッグス湾事件の情報漏洩を肴に「羊飼い」について考察する。

レビュー

全体的に非常に抑えたトーンで演技と画面が構成されているにもかかわらず、その実際の暗闘たるや活動的であること甚だしい。静と動の対比を上手く表現してみせた。随所に『ゴッド・ファーザー』的な(プロデューサーにフランシス・F・コッポラ)、血で血を洗う非情さとそうした己のアイデンティティーが許されるのか、という葛藤をみせる。こうした現代にも当てはまる普遍的なテーマを掲げ、男が良い人間・夫・社会の構成員としてどうあるべきか、に悩む姿を描いている。

アクターズ・スタジオのインタビューでマットさんは、ディテールに拘るロバート・デ・ニーロに大変感銘を受けた、監督をやってみたいと思った、という2つの興味深い発言をしている。『グッドウィルハンティング』や『ジェリー』といった作品の脚本を書いた(書ける)人なので、是非彼の監督作を見てみたい。
「コチーノス」というキーワードが出てくるが、アメリカ側のピッグス湾の事。
本物のCIAが事実確認してて、 参照 によると、エドワードはスカル・アンド・ボーンズの一員ではないし、レイ・ブロッコはアナリストだった模様。エドワードの奥さんがクローバーとなってるけれど、アレン・ダラスの奥さんがそう呼ばれていた。


2009
Feb
06
The Bourne Ultimatum ボーン・アルティメイタム [DVD]

ストーリー

あ!思い出した!そーいえば、俺が自分でやるっていったんだった。てへ。。。(談:マットさん)ってゆー映画。

レビュー

マットさんてばとってもシャイで、ちっともお話してくれない。私ばっかりしゃべっちゃって馬鹿みたい!と。。。ハードボイルドの条件の一つに、心情を直に語らせるのではなく物や状況・人物の動きによってそれを表す、ってのがあるのだけれど、まさにこれが充て嵌る。無駄な言葉を発しない。全然しゃべらない。フランカ・ポテンテの弟に彼女の死を伝える時でさえそうなのだ。あんなのじゃ全然分らんと思うぞ。とかくアメリカ映画が説明しすぎって言われることの裏返しだろうか?
いっつもそうなんだけど、あの国は、自分で育てて都合悪くなったから捨てようと思ったらもの凄い強くなっちゃって、どうにもならない泥沼に入り込む、というようなことの繰り返しなんだけど、そんな皮肉が込められていると見るのは穿ちすぎか。

監督のコメンタリーでアクションは基本的に追いかけっこ(鬼ごっこだったか?)だ。って言ってたのが興味深かった。
1作目はフランカとの愛の物語だったと思うのだけれど、2作目以降完全にアクションになった。もちろん1作目も追いかけっこなんだけれど、何が違うかというと、頭脳の戦いという部分にフォーカスを移した事だと思う。CIA上層部との知の駆け引きみたいな事にその追いかけっこの目的が変質した。だから、2作目以降は思い出としての愛はあっても、現実のsexを必要としていない。ゆえに、ジュリア・スタイルズとの関係は深まらないのだ。監督が変わったのもあるけど、マットさんの性格がよりマシーンとして強調された。そうすることでより一層人間としての苦悩を浮かび上がらせたのだ。続編として上手に素材を生かしたってとこでしょうか。