日本 2-2 ブラジル (ケルン)
 何故ブラジルはメキシコに負けたのだろう?そのことで日本はブラジルに勝たなければならないという状況に追い込まれてしまった。今大会のブラジルには所謂ビッグネームが欠けている。しかしながら、若手で挑んだ南米選手権で優勝するなど、その選手層は驚くほど厚く、彼らが居なくても高い技術でチームを構築してしまう。日本はギリシャ戦でチームとしての完成度があがったといえる。とりわけ、チームのスタイルといったものが確立されつつあることは大きな前進で、是非ともあと2試合やりたいところである。世界の上位チームと対戦する場合、無謀に攻めてチンチンにやられるか、せっせと守ってギリギリの勝負をするか、しかない日本が、負けられないブラジルにどこまでやれるかは興味深い。

 さて、試合は結局引分けに終わり、日本はグループリーグを勝ちあがることは出来なかった。しかし本当によくやった。一人一人が頑張った、ということもあるが、ブラジルのお株を奪うようなワンタッチパスで崩し、ゴールに迫った。ゲーム自体は支配されていたとは思う。しかしあれだけボールを回されあれだけドリブルされても、集中力は最後まで途切れなかったし、ボールを奪うとキープできた。そして何よりチャレンジできた。結果が上手くいかなかったとしても、チャレンジする瞬間が多かった事は素晴らしい事だと思う。今日は、あのブラジルに臆することなく、互角に渡り合った、という点で格段の成長がみられたのではないだろうか。では、あと一歩はなんだったのだろうか?一流国相手に同点で試合を終え、惜しかったとしかいえないのだろうか?もうこれ以上は望めないのか?個々の局面で劣る日本は、豊富な運動量をベースに、組織で守り、素早いパス回しで中盤を支配し、スピードを武器にDFの裏へ抜けるそして・・・フィニッシュ、この最後の部分にもうすこしだけ強さがほしい。確かに今日は2点取った。だが、あと1点どうしても足りないのだ。ボランチの打つミドルが枠に行けば、FWの足があと一歩伸びれば、GKと一対一になったらゴールにパスできれば・・・。今日はグループリーグという壁を破れなかった、しかしあとほんの少しで、突破できるのだ。
 本番まであと一年。このメンバーがどれだけ残るかはわからない。怪我や不調もあるだろうし、新しい力が出てくるかもしれない。選手達はこれからも競争が続く。一方でチームの強化に当てられる時間はそんなに多くないだろう。ジーコの日本が、ドイツの地で輝くために必要な全てを与えてあげてほしい。その意味で協会の力が試される1年にもなるのだ。選手のために、決して間抜けなマネージメントをしませんように。