ドイツ4-3オーストラリア (フランクフルト)
 コンフェデがドイツで始まった。果たしてこの大会に参加した国のうち何ヶ国が本大会にでてくるだろうか?日本、アルゼンチンは既に出場を決めているが、ギリシャ、チュニジアはかなり苦戦している。そういった意味で日本にとっては素晴らしいタイミングでの開催といえる。
 開催国ドイツにとっても、予選がないだけに、格好のテストと位置づけることができる。なり手の無かった代表監督の座に着いたクリンスマンは、まさに我が道を着実に歩んでいる。GK問題しかり、若手の積極的な登用しかり。なんと、経験が必要とされるDFに二十歳の選手が二人もいるのだ。'98当時、日本には絶頂期を下りかけの井原と、広いカバーリング能力を持つ田中マコという二人がいた。しかしながら、試合に出続けたのは、経験値の高い選手のほうだった。あの当時から試合に出ていたら、田中という選手はいったいどれほどの成長を見せただろう。若手の登用は、言うほど易くはない。事実この試合でも、DFラインの脆弱さが露呈した。現日本代表でも、坪井のパフォーマンスに不安を覚えている向きは多いだろう。失点すれば、守備陣に批判と不安が渦巻くのはいたしかたのないことだ。だからこそ、経験する機会を少しでも与えることは、結局はその国の強化に繋がるといえる。その意味では、追加召集された茂庭に是非チャンスをあたえてほしいものだ。
 試合のほうは、派手な撃ち合いとなった。オーストラリアが予想以上に良いサッカーをしたことは驚きだった。まもなくAFCに編入してくると、日本がアジア予選を戦う上で、非常に強力なライバルとなりえるだろう。なぜ日本は反対しなかったのだろう?それくらい良いチームだ。例えれば、ジェフだろうか。豊富な運動量に支えられ、難しい事をせず、着実にボールを運んで行く。個々人の能力もけして低くない。いつもプレーオフで負けてW杯に出てこれないのは、その対戦相手に恵まれなかったからか。対するドイツは、中盤を自由にさせすぎた嫌いはあるものの、決定力といった点ではやはり迫力があった。クリンスマンはクールビズだったとかは別にして、攻撃陣にはクリエイティブで自由な発想みたいなものがあったように思う。しかしながら、守備陣はいただけない。失点のタイミングも悪いし、お得意の組織といったものがまるで感じられなかった。ともかく、勝ててよかった。そんな感じだった。
 ジーコはベスト4を狙うという。中村は結果でなくいい形を作りたいという。引いた相手をこじ開けるのでなく、いかに攻撃をおさえるか、の戦いになるだろうといわれる。課題が多くでるだろうとも言われる中で、どんな試合を見せてくれるのだろうか。少しでも長くドイツにいられるように戦ってほしい。