Japan 4-1 タイ (重慶)
 前半3バックで戦った日本は、オマーン戦同様非常に不安定だった。FWとDFの間が広すぎて中盤でボールを繋ぐ事ができない。試合運びも今ひとつで心配したが、タイはすっかり引いてしまっていたので、いつか点が入るだろうとは思っていた。先制点はタイ。ゴール前の個人技から失点してしまう。なんとか中村のFKで同点に追いついたもののピリッとしない。遠藤と福西を縦の関係に中盤を変更したがそれでもゴールへの迫力は生まれなかった。後半に入り、ジーコは4バックにすることで中盤のダイナミズムが生まれた。中村一人ではなく小笠原という基点ができたこと、サントスと加地の両サイドが敵陣深くまで切り込めるようになったこと、DFラインが全体的に押しあがったこと、により安定した試合運びになった。全体的にはほとんど一方的な展開だったが、ジーコの采配という点では興味深いものだった。その意味では先制されたことはむしろよかったかもしれない。3バックと4バック、システムを変更することで試合の流れを完全に日本のものにしてしまった。今日のように引いてしまった相手に対しては4バックが有効なのだろうか。3バックの場合、何故あんなにDFラインは深いのだろう、何故両サイドMFは縦に突破しないのだろう、いずれにしても中村一人では何もできない。スペースも無いし動き出しもなければ、無為に時間を過ごすだけではある。どうにか決勝トーナメントへは駒を進めた。これからはさらに苦しい戦いが待っている。つまり、どちらかといえば、3バックでの戦いの精度を上げていかなければならないのだ。もしくは4バックの完成を目指すのか。両方出来る、は中途半端、にならなければいいが。
 歴史的な事実事件を背景に重慶の観客はブーイングや、日本人サポーターへペットボトル投げつけたりしているようだ。非常に悲しいことである。何故サッカーだけを楽しめないのだろうか。政治とスポーツは無関係ではないのか。中国人一人一人が判断しての行動なのだろうか。JFAはAFCに対し日本人サポーターの安全を確保するよう要請したという。こんなことで大会を台無しにして欲しくはない。