Japan 0-0 イラン (重慶)
 FIFAランキング21位のイランに対し24位の日本は、心理的には比較的楽に試合に入っていけた。既に決勝トーナメント進出を決めており、次の対戦が韓国かヨルダンかを決められる立場にいた。AFCのウェブサイトで、biggest surprises のpoll が1位のヨルダンは、40位。一方Wcup4位の韓国は20位である。引き続き移動無く重慶で試合を行えるということからも、引分け以上で予選1位を確保したいところである。
 DFラインに出場停止が重なっていたイランはしかし、バックアップのメンバーや交代で入った選手達の質が高かった。動きは少ないがダエイは存在感があるし、マハダビキアはとても危険な選手だ。そして中心選手にカリミがいる。このカリミを止められるかどうかがひとつのポイントだった。日本の司令塔中村にはマンマークで潰しに掛かってきたのに対し、カリミには福西を中心にゾーンで受け渡していた。守備はうまく機能し、中村も何も出来なかったが、カリミにも自由にさせなかった。日本の左サイドの三都主もこの日は敵陣深くまで攻め上がりを見せていた。この事はイランの右サイドのマハダビキアからの攻撃を押さえ込むことにもなった。後半に入り17番に攻められたが、最終ラインはよく集中していたと思う。両チームとも本当に決定的という場面はなく、最後は時間稼ぎのボール回しで両チームとも決勝トーナメント進出を決めた。
 現在若返りを図っている途上とはいえ、やはりイランである。このイランから2点を先制し、あわや勝利を納めるところまで追い詰めたオマーン(58位)の躍進は、もし決勝トーナメントまで上がってきていれば、biggest surprises を見せたかもしれない。10/13のWcup予選を心配する声が多いが、現時点では日本を破るまでの力は無いと思う。若年層の強化、国際大会での実績、若い選手達の経験値、そしてマチャラという頭脳。全ては良い方向へ向かってはいるが、そう簡単でもない。日本も昔は弱かった。力をつけたのはほんの10年のことである。そんな日本が自国開催というアドバンテージの中、Wcupでベスト8まで行けなっかたことと同じだと思う。一方で、ジーコが言うように、ランキングの上下だけで、勝敗を予想する事など不毛に等しい。日本よりランキングが上でアジアカップ優勝3回のサウジアラビアのグループリーグ敗退など誰も予想できはしなかっただろう。
 いずれにしてもベスト8が出揃った。日本は比較的楽な組み合わせの枝に入る事が出来た。このまま決勝まで駆け上がってくれる事を期待する。