日本 1(4-3)1 ヨルダン (重慶)
 概ね、戦前の論調はベスト4が最低とされていた。あわや敗戦というところまでいったが、なんとかノルマを達成した。前日にバーレーンがウズベキスタンに勝っていたが、延長を戦い最後はかなり疲労の色が濃かっただけに、休みの少ない日本としては90分で決着を付けたいところではあった。しかしながら、簡単に何かを成し遂げられる事はない。こういったラッキーな面がどこかに必要とされる。その意味では、二度目のラッキーは無いと思わなくてはならない。
 ヨルダンの日本対策(もうかなりオープンではあるが)は、徹底していた。ボールへの早い寄せ、サイドで基点を作る、簡単にパスを繋ぐ、どのチームも日本の弱点をついてくる。しかし日本も最終ラインは安定しており、失点の場面以外、崩されるところまではいかない。一方、攻撃面は単調で、各個人のスキルに頼ったものでしかなかった。やはりサイドが高い位置まで押し上げていけないと、厚い攻撃にはならない。三都主の出来の悪さにはうんざりだった。試合はこう着状態が続き、避けたかった延長そしてPKへと移っていった。中村、三都主がはずし、絶体絶命のピンチ、しかも足場が悪いとの判断からゴールが変更になった。この場面で一番気持ちの切替が難しかったであろう川口は、非常に集中していた。その後2本のPKを止め、逆転で勝利を納めた。
 韓国はイランに3-4で敗れた。イランの攻撃陣は魅力的ではあるが、そのベースになっているのは、各個人がドリブル(キープ)ができることである。トルシエはかつて、一人が5秒ボールを持てないといけないのに日本人にはそれができないと嘆いた。このボールキープの能力をもう少し身に着けないと、早い寄せに対して対応できない。もう一点は、サイドに作られる基点に対する処理。サイドMFとセントラルMFで潰してしまえばいいと思うが、守備的MFがどうしてもつり出され、結果バイタルエリアを自由に使われてしまう。中村の守備能力は非常に低いし、両サイドMFは縦へ抜けられるのを怖がってしまう悪循環。このあたりが改善できればもう少し安定した試合運びになるだろう。