Japan 7-0 インド (埼玉)
早い時間に先制点を奪うことが出来た日本は、その後も順調に得点を重ね、大差でインドを下した。指揮官の執念かというほどの得点へのこだわりは、選手交代に如実に現れていた。怪我を抱える久保を交代したものの、前半の3点に全く満足することはなかった。CBの宮本に変えて小笠原、さらに、この日バランスとる事に終始していた小野に変えて藤田を投入した。試合経過を見てジーコが取った積極的な采配は、万が一1次予選が拮抗した展開になった場合でも、得失点差で涙を呑むことがないように、との配慮と同時に、実践の中で得点を重ねる事の練習のようにも見えた。宮本に変えて小笠原。この交代はジーコのファインプレーといえる。選手に対し、さらに点を取れとの強烈なメッセージであったし、選手もそれに応えた。一方で、三人目の藤田はどうだっただろうか。ジーコの意図は分かる。しかし、明らかに前線で選手がだぶ付いてしまったし、怪我人が出た時のことを考えていなかった。足がつった加地や玉田だけでなく、運動量の多い選手に疲れの色が出てきた時間帯であったのだ。しかしながら全体としてジーコはうまくこの試合をコーディネイトしたと思う。結果として多くの得点を奪ったし、失点もしなかった。あくまでも”アジアレベルの試合”ではあったが、玉田のスピードは魅力的だったし、中村も良いパスを供給していた。
不安材料としては、中田が指摘している選手たちの”おとなしさ”である。宮本が交代する際に渡したキャプテンマークを誰もが受けたがらなかったのである。強い頃のドイツ代表だったリトバルスキーは言う・・・「当時のメンバーは、自分の調子が悪い時でも、要求し、罵り合っていた、そうしたメンタリティーこそ勝利につながるものだ」と。今回の試合前にはいくらか全体で練習する時間があった。ゆえにコンビネーションの確立やコミュニケーションが取れた、と選手たちは言っていた。それだけで勝てるのだろうか?いつになったら、いい人達から戦う集団に変わっていくのだろうか?