2004
Jun
15
Posted by: iichii
イタリア 0-0 デンマーク (唾吐き王子)
 ヨーロッパは今の時季かなり気温が上がるようだ。Wcupフランス大会の時も選手たちにとって暑さが敵や味方になった。
 開始早々から、トータルなサッカーを展開したデンマーク。選手がボールをどんどん追い越して行く。簡単にボールを捌き、両サイドのヨルゲンセン、ロンメダールが基点となりクロスをあげる。高質で見ていて楽しいサッカーである。オルセン監督は、自身もアヤックスでプレーしその後アヤックスの監督も勤めた経験を持つ。この代表チームがオランダの(アヤックス)の匂いを感じさせたのは納得であるし、トマソンが1.5列目というよりFWのプレーを見せ、且つフィットしていたのは、フェイエノールトでの活躍を思い起こさせる。またオルセン監督はあのシュマイケルを外し、この日大活躍を見せたGKソーレンセンを抜擢した人物でもある。前半の彼らはイタリアをイタリアとも思わせない勢いがあった。しかし、後半に入るとぱったりと足が止まってしまう。飛ばしすぎ、もしくは暑さ、によるものだろう。
 一方のイタリアは、相変わらずの省エネサッカー。タレントを豊富に抱え勝負所を熟知した、いわば大人のゲーム運びである。1対1には無類の強さと迫力を見せるが、攻撃に今ひとつ迫力を欠く。基本的に攻撃はトッティ、ビエリ、デルピエロの3人の個性に頼ったものであるだけに、いたしかたないのか。GKブッフォンの活躍は光ったものの、デンマークの怒涛の勢いをいなしたのは、さすがとしかいえない。DFになりたい、という子供達が育つ国、イタリア。まさに真骨頂だったのかもしれない。

2004
Jun
14
Posted by: iichii
England 1-2 France
 2000年の決勝。イタリヤに終了寸前まで負けていたフランスは同点に追いつき、ロスタイムに逆転して優勝した・・・
前半、ベッカムの素晴らしいFKに合わせて先制したイングランドは、後半防戦一方だった。しかし、カウンターからルーニーの高速ドリブル、これをペナルティーエリアで倒してしまったフランスはPKを受けることになる。キッカーはベッカム、ほとんどこの時点で勝負はあったかに思われた。しかしなんとこのPKをバルテズがセーブ。2000年を思い出さないフランス人がいただろうか?堅く守りを固めるイングランドは、フランスに最後の仕事を全くさせない。練習試合とはいえ、この守備陣から得点した日本はなかなかのものである、と同時にやはり、早い攻めからサイドを抉れれば、とその得点シーンを思わずにいられない。高い集中を保ってきたイングランド守備陣であったが、最後にミスを犯してしまう。ゴール前で反則。この時点でロスタイムに入っていた。そしてこのFKを見事にジダンがゴールに叩き込んでしまう。このまま試合が終わっても、両チームにとって満足な結果だったかもしれない。しかし、もう一度ミス。DFの不用意なバックパスを狙ったアンリがGKに倒されPK。フランスはこのPKをジダンが冷静に決め、最後の最後で大逆転勝利を納めた。
 強いチームとはこういう勝利を納めることができる。なかなかゴールをこじ開けられない時間帯であっても、ほとんど淡々と、と思われる位冷静に攻めを繰り返していたフランス。そしてその攻撃に耐え切れなくなった相手が小さなミスを犯す。韓国の時のフランスとほんの少しの差しかないはずなのだ。ジダンの好不調だけの問題ではない。チームが自分たちを信じきれるかどうか、相手の小さなミスを誘い、それを生かす、それが出来るチームだからこそ奇跡ともいえる結果を残すことが出来るのだろう。
 一方のエリクソン監督は、後半に攻められる時間が多くなった時に、FWとMFに守備の出来る人材を投入し、ボールの支配率を押し戻した。また主将、ベッカムは試合終了の笛の後も、それほど落胆した表情を見せていなかった。この2点から敗れたものの、今後の試合に期待を抱かせる。やはり最後は、自分たちを信じきれるかどうか、なのだから。

2004
Jun
13
Posted by: iichii
ポルトガル 1-2 ギリシャ
inポルトガル
ヨーロッパチャンピオンを決める大会が始まった。ワールドカップ時に比して、各チームの状態は比較的安定しているようだ。ビッグなクラブチームで活躍するスターたちは、各国リーグでの闘いの傷を癒し、代表での活躍を見せる場に立った。リーグ終盤不調に陥ったジダンは順調に回復し、スペインという環境と新しいポジションに苦しんだベッカムは今回は骨折していない、ドイツは相変わらず前評判は低いがなにせゲルマン魂である、前評判が高いスペインはラウルを筆頭にタレントが豊富、今大会がトッティのものになるかもしれないイタリアはどこまで勝ち進めるか、オランダはファンニステルローイやファンデルファールトといった若手が台頭、と興味は尽きない。トルコがいないのは甚だ残念ではあるが、何処が勝つかだけでなく、誰の大会になるか、ニューヒーローが現れるのか、期待している。
OpenningGame
ホストカントリーであり、黄金の世代と謳われたタレント達に加えデコやリカルドカルバーニョなどのCL優勝チームの選手、クリスチアーノロナウドといった若手が融合し、監督は2002Wcupを獲ったフェリペであるポルトガルは、優勝を渇望している。対するギリシャは予選でスペインを撃破しトップ通過、ドイツ人のレーハゲル監督により国際試合15連勝という記録をもつチームである。
開始早々にミスから失点したポルトガルはしかし、ボールを支配しいつか得点するだろうとの期待を抱かせた。パウレタやフィーゴの調子も悪くないように見える。後半に入り、デコとロナウドを投入すると、左サイドで攻撃を組み立て、幾度と無くチャンスを作っていた。しかし、カウンターからPKを奪われ、2点目を失う(ロナウドが相手を倒してしまった)。ロナウドは持ち味のドリブルを遺憾なく発揮するものの、クロスの精度に難があり、得点に結びつかない。猛攻撃のポルトガルに対し堅い守りで最終局面を凌いだギリシャはよく集中していた。皮肉なもので、さんざんチャンスを作ってきたロナウドだが、試合終了間際にフィーゴのCKを頭であわせ得点。いい意味でも悪い意味でも彼の試合になった。結局ポルトガルは初戦を飾れなかった。

2004
Jun
09
Posted by: iichii
Japan 7-0 インド (埼玉)
早い時間に先制点を奪うことが出来た日本は、その後も順調に得点を重ね、大差でインドを下した。指揮官の執念かというほどの得点へのこだわりは、選手交代に如実に現れていた。怪我を抱える久保を交代したものの、前半の3点に全く満足することはなかった。CBの宮本に変えて小笠原、さらに、この日バランスとる事に終始していた小野に変えて藤田を投入した。試合経過を見てジーコが取った積極的な采配は、万が一1次予選が拮抗した展開になった場合でも、得失点差で涙を呑むことがないように、との配慮と同時に、実践の中で得点を重ねる事の練習のようにも見えた。宮本に変えて小笠原。この交代はジーコのファインプレーといえる。選手に対し、さらに点を取れとの強烈なメッセージであったし、選手もそれに応えた。一方で、三人目の藤田はどうだっただろうか。ジーコの意図は分かる。しかし、明らかに前線で選手がだぶ付いてしまったし、怪我人が出た時のことを考えていなかった。足がつった加地や玉田だけでなく、運動量の多い選手に疲れの色が出てきた時間帯であったのだ。しかしながら全体としてジーコはうまくこの試合をコーディネイトしたと思う。結果として多くの得点を奪ったし、失点もしなかった。あくまでも”アジアレベルの試合”ではあったが、玉田のスピードは魅力的だったし、中村も良いパスを供給していた。
不安材料としては、中田が指摘している選手たちの”おとなしさ”である。宮本が交代する際に渡したキャプテンマークを誰もが受けたがらなかったのである。強い頃のドイツ代表だったリトバルスキーは言う・・・「当時のメンバーは、自分の調子が悪い時でも、要求し、罵り合っていた、そうしたメンタリティーこそ勝利につながるものだ」と。今回の試合前にはいくらか全体で練習する時間があった。ゆえにコンビネーションの確立やコミュニケーションが取れた、と選手たちは言っていた。それだけで勝てるのだろうか?いつになったら、いい人達から戦う集団に変わっていくのだろうか?

2004
Jun
03
Posted by: iichii
 高松はアテネにいけるでしょうか?鈴木啓太は残るでしょうか?10人の監督が居れば、10個のチームが出来るといわれます。オーバーage枠は使うのでしょうか?誰が呼ばれるのでしょうか?GKでしょうか?FWでしょうか?山本監督は既に協会に自分の意思を伝えてあるそうです。協会は何を目指すのでしょうか?誰が選ばれても、少しでも上に、少しでもメダルに近づいてもらいたいものです。選手たちにとっては目標かもしれませんが、最終地点ではないのです。まだまだ終わりではないのですから、選ばれなくても落胆することなんてまったくありません。
 高松はえらばれるでしょうか?いつまでたっても上京したての大学生にしか見えない高松は、山本監督の要求をこなそうと必死でした。どう見ても彼のプレースタイルと監督の要求は大きく乖離していると感じてなりません。ゴール前にどっしり構えていれば、点を取る男なのです。決して前線からの守備に忙しく走る回るための人材ではないのです。でも、しかし彼は必死で走り回ります。後半途中にはどう見てもへとへとです。彼は前線でわがままにボールを待っていれば点を取れる男です。そしてそれがFWなのです。しかし監督はいろいろいます。考え方もいろいろあります。彼の悲劇は所属クラブのハンベルがーも山本に近い考え方であるというところです。彼にどのくらい欲があるのか知りません。久保を見習ってほしい。あれでいいのではないでしょうか?だってFWなのですから。