U-23 1-0 ガーナ (ボロス)
 言葉は悪いが、オリンピックは将来のスターのお披露目の場でもある。イタリアのジラルディーニョやアルゼンチンのテベスなどは既にその名を轟かせている。この大会中に新たなスターはでてくるだろうか。その意味でも少しでも上位に食い込み、スカウトやエージェントの目に留まることが必要である。
 日本代表へは何人の選手が引上げられるだろうか?ジラルディーニョにはやられてしまったが、茂庭の対人能力は高い。阿部のFKはやはり一級品だし、大久保の動きは見るものを引き付ける。守備的MFとして存分な動きを見せた今野も将来が楽しみではある。山本”コーチ”の戦術に合わなかった石川も、サイドの選手としてはおもしろい。その意味で、最後の試合でサッカーセンスのよさを見せ付けた菊池(ジュビロ)は、今後が非常に楽しみだ。あのアーセン・ベンゲルをして、菊池の才能に驚いたという。まだまだ線が細いし、高いレベルで90分安定した力を発揮するのは難しいようだが、将来性という意味ではピカイチではないだろうか。
 最後に勝つ事ができた。DFは失点をしなかったし、FWが得点を奪う事もできた。監督の采配や交代には疑問符がつきまくりだが、勝ち点3を得た。ギリシャに行った選手も、行けなかった選手もこれからが本番だと思う。やはり、たかがオリンピックでしかないのだ。世界のフットボールシーンでは、所詮、若手の大会なのである。ほんの数年前に比べ、世界へ羽ばたくチャンスは格段にあがっている。曰く、各国の力の差の少ないという認識、曰く、アジア市場という視点、曰く、中田をはじめとする先駆者達の切り開いた道。こうした好条件を生かすのは、選手たち自身なのだから。だからこそ、そのチャンスを潰してしまった監督は、きちんと責任をとってほしいし、その重さをかみ締めてもらいたいものだ。