山本監督率いる五輪代表は見事にAtenesへの切符を手に入れた。延べ60人以上の選手を招集し協会から多大なBackUp(おかね)を得、それを手にいれた。山本監督は最終予選最後の試合の前に、「ピッチに切符が落ちている、拾え」といったらしい。選手たちは必死だった。大久保はきっちり結果を出し、平山は何度も何度もヘディングした。そして彼らは、"谷間の世代"という代名詞に決別を果たした。おめでとう。
 多くのサポーターは当然アテネに行けると思っていたようだ。時代は変わったものだ。TV中継が当たり前になり(アナウンサーはとてつもなく無粋で)、アウェーでもスタンドは蒼く染まり、強化と称して遠征に行けて、体調が悪いと協会総出で心配してくれる。良い時代なのだろうか?確かにいつまでも弱いままじゃつまらない。応援するなら勝ってほしい。過去を振り返ってメキシコ・カマモトなんていつまでも言ってはいられない。それこそ時代錯誤も甚だしい。選手たちはFootBallを楽しんでいるだろうか?
 オーバーコーチングという言葉があるらしい。ファンタジックな才能の枯渇に対し、その原因追求から出ている言葉のようだ。StreetなFootBallがその対極にあり(それを是とする)、自由と管理という命題に行き着くことになる。山本監督や協会はまさにオーバーコーチングそのものではないのか。勝てばいいのか。これしか方法はないのか。
 山本監督の手腕はまさに"管理"である。やり方は非常にトルシエに似ている。協会は彼を大切に"育てて"来た。中年殺しのような甘い風貌に騙されてはいけない。