2009
Jan
28
The Shawshank Redemption ショーシャンクの空に [DVD]

ストーリー

なんだか物凄い人気作品。おっさん二人の愛の物語。人の心の中の思いは誰にも奪えない・・・のだ。

レビュー

うーん。感動した?そう?あ、プリズン・ブレイクⅠは明らかにこの映画に影響受けてるね。爽快感があるとか涙が出るとかそういう映画なのか?むーん。悪くないけどね。日本てばお酒に寛容な社会だからちょっとあり得ないというか違和感があるのは、屋上でビールを勧められて「酒はヤメタ」って言う。煙草をやめたとは言うけど、表現としておもしろいなと。酒をやめるって言葉に出して、ホントに飲まない。いや、ここは無理しても飲む所でしょ、空気よめよと思う。でも相手も「あぁ、そう」ってあっさりしてる。これはなんか心に残るシーンだね。いや、そういうことじゃないな。。。まぁただ、希望を捨てないで生きることが大切とかこつこつ努力して諦めなければ道は開ける・・・だとかそういうことは言ってないと思うんだよね。むしろそういう甘い幻想みたいなものは哀しいかな、刑務所内だけでなく人の世では通用しないのだよ、甘くはないよ、と言ってはいまいか。
そうではなくて、あくまで ”自由” ってものへの賛美って気がする。
例えば音楽の持つ魅力みたいな感傷的な部分を刺激され、例えば図書館や教育みたいな教条的な部分を刺激される。そして最後に、刑務所というステージを象徴的に見せられる。閉じ込められている(自由を奪う)場所ではなく、自ら拠って立つ場所(安住の地)としてみせることで、逆説的に、より自由への渇望を喚起させられたのではないだろうか。
アカデミー賞ではモーガン・フリーマンが主演男優賞ノミネートされている。自由を得ようと必死に足を踏み出した男を描いたのだとするならば彼が主演だという理解も頷ける。いずれにせよ、結局の所、Freedomという名の下にいろんなことが許されている。まるで何処かのお国ですな。しっかり目を見開いていたいですね。


2009
Jan
11
Interview With The Vampire インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア [DVD]

ストーリー

サラリーマンがガード下の赤提灯で酔って愚痴を言う。「いや、なかなかみんな分ってくれないけれど、こっちもいろいろ大変なんだよ。案外、この仕事も楽じゃないんだよね。ホント。もうイヤんなっちゃうよ。ひっく。え?にんにく?大丈夫大丈夫!あっ・・・」(談:ぶらっどさん)。っていう、そういう映画。

レビュー

人間の持つ恐怖であるところの死。しかしながら死ぬ事がない彼らには、そうした永遠こそ恐怖なのだ。生き続ける事、しかも人間の命を奪って生き永らえるというジレンマは、罪の意識や苦悩へと導かれる。そうして、死であろうが永遠であろうがそういう恐怖をかかえながら結局のところ、正しく生きるという事どういうことなのか、という答えを探しているのだよ、ということでしょうか?吸血鬼に名を借りた人間ドラマなのであーる。
でもちょっと分りづらい映画だね。原作読んだほうがいいのかね。

エンドロールの一番最後に「リバー・フェニックスを偲んで」と出てくるのはクリスチャン・スレイターの役にキャスティングされていたが亡くなった為(オーバードーズによる心不全)。享年23歳。ホワキン・フェニックスのお兄ちゃん。ヴィーガン。
ニール・ジョーダンってばなんと『俺達は天使じゃない』の監督。


2008
Nov
06
LEGENDS OF THE FALL レジェンド・オブ・フォール アルティメット・コレクション

ストーリー

ラドロー一家の波瀾に富んだ歴史。人間にとって正しいルールとは?

レビュー

ここで語られるのは、政治が勝手に戦争を始め、権力と腐敗を生み出し、不完全なルールによって弱者の救済が成されない、そういったことへの怒りだ。そもそも為政者のエゴに辟易して世間に背を向けた父親にとって、神や人間のルールを守る長男よりも、己のルールを果たそうとする次男に愛情が向くのは至極当然のことだ。次男はルールを守らないのではなく、ルールそのものの質が違うのだ。為政者には都合の悪いこうしたルールこそが真に支持されるべきではないかと主張しているように思える。
そしてもう一点は、キリスト教という価値観への疑念だろうか。ネイティブ・アメリカンを語り部にする事でその精神世界を連想させ、神に対する代替を示した。また、彼らへの迫害を示唆し、キリスト教を絶対視することへの疑問を提示しているように思われる。
恋愛映画としての視点でいえば、スザンナの、「イザベルの死を望んだ、おそらくサミュエルの死さえも・・・」という告白は強烈だ。ほとんどこの台詞を言わせるためにここまで彼女を引っぱったのだろう。この心情に気付いてしまったが為に自らを許せなくなって(自殺して)しまう事は、取りも直さず、彼女こそがトリスタンに最も近く最も彼を理解できた人間だった証だといえるだろう。

ヘンリー・トーマス(サミュエル)って、ジェレミー・デイヴィス(プライベート・ライアンのアプス)に似てるね。