2009
Jan
11
Interview With The Vampire インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア [DVD]

ストーリー

サラリーマンがガード下の赤提灯で酔って愚痴を言う。「いや、なかなかみんな分ってくれないけれど、こっちもいろいろ大変なんだよ。案外、この仕事も楽じゃないんだよね。ホント。もうイヤんなっちゃうよ。ひっく。え?にんにく?大丈夫大丈夫!あっ・・・」(談:ぶらっどさん)。っていう、そういう映画。

レビュー

人間の持つ恐怖であるところの死。しかしながら死ぬ事がない彼らには、そうした永遠こそ恐怖なのだ。生き続ける事、しかも人間の命を奪って生き永らえるというジレンマは、罪の意識や苦悩へと導かれる。そうして、死であろうが永遠であろうがそういう恐怖をかかえながら結局のところ、正しく生きるという事どういうことなのか、という答えを探しているのだよ、ということでしょうか?吸血鬼に名を借りた人間ドラマなのであーる。
でもちょっと分りづらい映画だね。原作読んだほうがいいのかね。

エンドロールの一番最後に「リバー・フェニックスを偲んで」と出てくるのはクリスチャン・スレイターの役にキャスティングされていたが亡くなった為(オーバードーズによる心不全)。享年23歳。ホワキン・フェニックスのお兄ちゃん。ヴィーガン。
ニール・ジョーダンってばなんと『俺達は天使じゃない』の監督。


2008
Nov
06
LEGENDS OF THE FALL レジェンド・オブ・フォール アルティメット・コレクション

ストーリー

ラドロー一家の波瀾に富んだ歴史。人間にとって正しいルールとは?

レビュー

ここで語られるのは、政治が勝手に戦争を始め、権力と腐敗を生み出し、不完全なルールによって弱者の救済が成されない、そういったことへの怒りだ。そもそも為政者のエゴに辟易して世間に背を向けた父親にとって、神や人間のルールを守る長男よりも、己のルールを果たそうとする次男に愛情が向くのは至極当然のことだ。次男はルールを守らないのではなく、ルールそのものの質が違うのだ。為政者には都合の悪いこうしたルールこそが真に支持されるべきではないかと主張しているように思える。
そしてもう一点は、キリスト教という価値観への疑念だろうか。ネイティブ・アメリカンを語り部にする事でその精神世界を連想させ、神に対する代替を示した。また、彼らへの迫害を示唆し、キリスト教を絶対視することへの疑問を提示しているように思われる。
恋愛映画としての視点でいえば、スザンナの、「イザベルの死を望んだ、おそらくサミュエルの死さえも・・・」という告白は強烈だ。ほとんどこの台詞を言わせるためにここまで彼女を引っぱったのだろう。この心情に気付いてしまったが為に自らを許せなくなって(自殺して)しまう事は、取りも直さず、彼女こそがトリスタンに最も近く最も彼を理解できた人間だった証だといえるだろう。

ヘンリー・トーマス(サミュエル)って、ジェレミー・デイヴィス(プライベート・ライアンのアプス)に似てるね。


2008
Mar
10
バベル スタンダードエディション

ストーリー

モロッコ・メキシコ・アメリカ・日本それぞれの日常と混沌を描きながら救いのない絶望へと導かれる。

レビュー

テーマは”断絶”にあるように思われる。特に親子の絆というものに絶望を感じているのではないだろうか。かつて神の怒りに触れ言語を分かたれた人間たちは今、親子の間を分かたれてしまってはいやしないか?4カ国で起こる出来事はどれも、親が子供を守ってやることができない。現代においてはそのことが非常に困難な事になってしまっている。最後の最後でやっと少しではあるが光を見せてくれることが何よりの救いではあるものの、絶望や焦燥感ばかりが画面を支配していることが、この映画を力強い物にしている。。。。よ。