13
ストーリー
CIA創設期に活躍した男の一生。ピッグス湾事件の情報漏洩を肴に「羊飼い」について考察する。
レビュー
全体的に非常に抑えたトーンで演技と画面が構成されているにもかかわらず、その実際の暗闘たるや活動的であること甚だしい。静と動の対比を上手く表現してみせた。随所に『ゴッド・ファーザー』的な(プロデューサーにフランシス・F・コッポラ)、血で血を洗う非情さとそうした己のアイデンティティーが許されるのか、という葛藤をみせる。こうした現代にも当てはまる普遍的なテーマを掲げ、男が良い人間・夫・社会の構成員としてどうあるべきか、に悩む姿を描いている。
アクターズ・スタジオのインタビューでマットさんは、ディテールに拘るロバート・デ・ニーロに大変感銘を受けた、監督をやってみたいと思った、という2つの興味深い発言をしている。『グッドウィルハンティング』や『ジェリー』といった作品の脚本を書いた(書ける)人なので、是非彼の監督作を見てみたい。
「コチーノス」というキーワードが出てくるが、アメリカ側のピッグス湾の事。
本物のCIAが事実確認してて、 参照 によると、エドワードはスカル・アンド・ボーンズの一員ではないし、レイ・ブロッコはアナリストだった模様。エドワードの奥さんがクローバーとなってるけれど、アレン・ダラスの奥さんがそう呼ばれていた。
25
ストーリー
政治家時代からライフワークとして地球温暖化問題に取り組んできたアル・ゴア。講演の模様を主にしたドキュメント。
レビュー
地球の危機として講演している内容は、ともすれば、現実に取材し科学的な根拠を基にしてはいても、因果関係を証明できないものとされてしまう(イギリスの高等裁判所が「9カ所の部分で科学的根拠が乏しい」と注意を促す判決を出している)。しかしながら、これらがあくまで啓蒙とするならば、多少の論理の飛躍や誇張があってもさして問題ではないと思う。その意味で言葉を武器に生きて来た政治家の本領を遺憾なく発揮し、プレゼンの方法としても秀逸なものを提供している事を考えれば、大成功のPRだろう。やっていることはマイケル・ムーアと同じだ。問題を単純化し、善と悪みたいな物に集約していく所など全く同じ手法だ。そう考えると啓蒙活動とはしょせんこういう物だし、それから先は受け取った個人が考え、調べ、行動することなんだろね。
こうした環境問題はもう現在では確実に”政治”の問題だが、例えば民間レベル特に主婦の方々なんかけなげだと思うよ。明らかに車の排気ガスと産業活動で排出されるCO2に手を付けなければならない問題であるにもかかわらず、「何かできないだろうか」ってせっせと分別収集に協力し、なんだか良く分からないけれどもレジ袋の有料化にも協力してるんだよ。涙出そうだよ。こういうのは国民性だろうか?世界の政治家とか知ってんのかね?ま。不都合だからな。
ちょっと穿った見方をすると、なんとなく民主党の選挙対策の一環的な匂いがしなくもないかな。それとノーベル賞は選定した人達のファインプレーだね。ゴアにノーベル賞を与える事でアメリカ国内が啓蒙され、結果としてアメリカがCO2削減に向かうなら御の字だもんね。
02
ストーリー
中国製の毒を盛られたスナイパー。解毒にはアドレナリンを出し続けなければならない。ホントは足を洗いたかったのにね。
レビュー
スピードとキレで勝負の映画。ブラックな要素をいかに盛り込みスタイリッシュに魅せるか、もちろんエロもグロもテンコ盛り。それなりによろしいのでないでしょか。。。でも、こうした手法はそれこそガイ・リッチーがやってきた事だよね?下品さをさほど表に出さなくても楽しませたガイに軍配上げちゃうかな。
ラストだけはね、ちょっと納得いかなくて、留守電の応答の間に落下して欲しかったな。あんなメルヘンチックな告白は要らないでしょ?ん、あれこそが肝か?
エイミー・スマートがチャーミングだったけれど、あーゆーおちゃらけなエッチシーンは女優人生にプラスになりえるのだろうか?ま、Sex and the city とかの例もあるから上手く生かして欲しい物です。
07
ストーリー
ミドルエイジを迎えた仲の良い4人の女友達の悩み、焦り、不安。そして友情。
レビュー
お金は一つの象徴であってそれがこの映画の主題ではない。いろんなことに悩み、傷つき、迷う。そうした四人の女性たちの日常をリアルに描いていく。女性監督が女性の視点で女性の心情を。おそらくかなり上手に。でも、どうしても、表面的という感が否めない。なんというか、多くの女性の共感は得られるのだろうけれど、その裏に隠された何かとか、そうしたことが物語の重大な複線になってるとか、そういうことが無い。まぁでも4人それぞれのキャラクターはかなり明確に個性として描かれていていながら、こだわったのであろう所の”リアル”っぽくはなっていたと思う。
どのパートナー(男)が一番素敵だろうか?コメンタリーの中でプロデューサーが「アーロン」をどう見るかがリトマス試験紙(芸?)だと言っていた。そういわれるとなかなかか書きづらいのだけれど・・・(苦笑。この映画で最もナイスガイなのはアーロンだと思うぞ。センスが良くてスマートで常識があって。優しい言葉やちょっと歯の浮くような言葉も言えるし、行き過ぎた行動に駄目だしも出来る。ちょっと出来すぎ。だからこそ「彼はゲイだ」というレッテルを貼らなければ安心できない。のだろうか。
男女の衝突という点でいうと、男はパートナーに[大丈夫かい?」と聞かない。ってのがあって、女性はそういう言葉を待ってのるのよって言うような事を示唆しているんだけれど、おもしろかったのは、ひげを剃ったのに気が付いたのが3週間後だってのがね。そういう面もちゃんと描いてるのはよかったよ。
邦題がこんなに変わってもいいのかね?製作したかたがたは文句言えないのかな?
フランシス・マクドーマンドが助演女優賞受賞。
27
ストーリー
兄であるジョンに続き、1968年6月5日、ロバート・F・ケネディもまた凶弾に倒れる。その時、アンバサダーホテルに偶然居合わせた22人を通して当時の社会の空気を描きだす。
レビュー
現実の映像が持つ迫力は計り知れない。ジョンがパレード中にライフルで撃たれ、その肉片をジャクリーンさんが拾い集める様は、”衝撃”という言葉で充分に説明される。そうした意味で、作られた映画というコンテンツは、その迫力という面において、とうてい及ぶ物でないと感じてしまう。所々に挿入されている実際のロバートの演説や当時の映像は非常に力強い。また、ロバートの演説が現代にも充分通用するメッセージである事は驚きでもある。だからといってこの映画が駄作だとかそういうことでもない。時代の雰囲気を上手く醸し出していたと思う。そして当時の社会が抱えていた問題点は、形こそ多少違うが、現代のアメリカが抱える問題点そのものなのだよ、という風に描かきたかったのだと思う。
興味深かったのは、ホテルの支配人が奥さんに「格好や立ち居振る舞いは最先端だけど、頭の中は20年代なのね」みたいなことを言われる所。加齢臭がするっていわれるよりも断然こたえるな。ん?いやそのほうが嫌か?
ma 's reviwe:
デミ・ムーアの劣化ぶりもなかなか良いかも。