2009
Jan
26
Cruel Intentions クルーエル・インテンションズ コレクターズ・エディション [DVD]

ストーリー

ミイラ取りがミイラになった! なんでも本当の愛に目覚めたんだそうな・・・

レビュー

廃退的でスキャンダラスな性欲の世界。行く末には破滅が待ち構える危険なゲーム。そんな中、一途な愛という希望を見出す。つまりは昼メロなのだ。純真な愛という”幻想”を提示する事で、道徳的な価値観を破ることに言い訳を与えるのだ。ポイントはあくまで純愛。愛こそが全て! 愛とさえ言って置けば全てが許されるのでアール。結局の所、「知らんがな、勝手にしてくれ」っておはなし。

とにかくみんな若くて高校生役なのだが、なんとセルマ・ブレアはこの時27歳くらい。
ピエール・コデルロス・ド・ラクロの『危険な関係』が原作、1959(仏)、1988(マルコビッチ)、2003(韓国『スキャンダル』)他何度も映画化されている


2009
Jan
21
The Whole Nine Yards 隣のヒットマン [DVD]

ストーリー

殺し屋の女房に惚れた。彼女を守る。自分の全ての力を使って。。。チャンドラーが贈る珠玉のハードボイルド。

レビュー

美しいお話なんだろうか?友達の奥さんを寝取った歯医者。離婚を罪と考える旦那ははたして悪なのだろうか。もちろんそれは現代的ではない。離婚率が50%を超えるような世界にあっては、チャンドラーの横恋慕は充分に正当性を持ちえるのだろう。一方で、そうはいいながら、キュートなアマンダ・ピートと一緒になる為にちょっと怒って見せてるブルースが一番大人なんだろうか?ヒットマンであるブルースは、「死んでいった奴(自分が殺した)はどうでもいい、生きている奴(お前)とどう付き合うかが大事なんだ」ってなことを言う。一見とても綺麗に思われるこうした言葉が実はアイロニーに満ち溢れているのと同様に、歯医者の行動もまた、大いなる矛盾に満ち溢れているのではないだろうか。

原題の『The Whole Nine Yards』は全てとか全部という慣用句
モデルみたい(元モデル)なナターシャ・ヘンストリッジが惚けたというか上気した表情を見せる所が良い。監督の腕か、彼女の才能か、あるいは引き出したのはチャンドラーか?
続編は『The whole Ten Yards』。前作へのオマージュ感が強すぎるのと、結局はお金目的って所に着陸してしまったことが残念。


2009
Jan
11
Interview With The Vampire インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア [DVD]

ストーリー

サラリーマンがガード下の赤提灯で酔って愚痴を言う。「いや、なかなかみんな分ってくれないけれど、こっちもいろいろ大変なんだよ。案外、この仕事も楽じゃないんだよね。ホント。もうイヤんなっちゃうよ。ひっく。え?にんにく?大丈夫大丈夫!あっ・・・」(談:ぶらっどさん)。っていう、そういう映画。

レビュー

人間の持つ恐怖であるところの死。しかしながら死ぬ事がない彼らには、そうした永遠こそ恐怖なのだ。生き続ける事、しかも人間の命を奪って生き永らえるというジレンマは、罪の意識や苦悩へと導かれる。そうして、死であろうが永遠であろうがそういう恐怖をかかえながら結局のところ、正しく生きるという事どういうことなのか、という答えを探しているのだよ、ということでしょうか?吸血鬼に名を借りた人間ドラマなのであーる。
でもちょっと分りづらい映画だね。原作読んだほうがいいのかね。

エンドロールの一番最後に「リバー・フェニックスを偲んで」と出てくるのはクリスチャン・スレイターの役にキャスティングされていたが亡くなった為(オーバードーズによる心不全)。享年23歳。ホワキン・フェニックスのお兄ちゃん。ヴィーガン。
ニール・ジョーダンってばなんと『俺達は天使じゃない』の監督。


2008
Dec
28
Blades of Glory 俺たちフィギュアスケーター スペシャル・エディション [DVD]

ストーリー

フィギュア界を追放されたライバルの二人。スケートの世界に戻るには男子ペアとしてコンビを組むしかない。。。はちゃめちゃ青春コメディー。

レビュー

一言で言えば、暑苦しい。って感じでしょうか?真夏に無理やり聞かされるチューブ、日焼けサロンの松崎しげる、そして、タイツ姿のウィル・フェレル。ああ、、、うざ、、、い。話の展開としては、こてこての青春物。仕事を心から愛し夢に向かって突き進め!という単純で明快なメッセージをベースにこれまたこてこてのコメディで覆われている。あんまりにも暑苦しさが前面に出てるのであれだけど、笑いとしては上手に作ってあったのではないでしょうか。ウッディ・アレンは笑いとは「悲劇プラス時間だ」と言っているのだけど、この映画の”笑い”では、時間という要素を有効に使っていると思う。今それを言うか?とかもう少し後でそれを言えば普通の事なのに、とかそういう部分が非常に上手かったと思う。見た目の可笑しさという部分だけでなく、不条理な笑いに持っていけてるという意味では合格ですね。

トリノで荒川についで銀のサーシャ・コーエン、トーニャ・ハーディングが関係した襲撃事件でお馴染みのナンシー・ケリガン、ほか有名人が多数出演。佐藤有香もクレジットされているが分らなかった。

クレイグ・T・ネルソンはMr.インクレディブル。プリズンブレイクのマホーンでお馴染みウィリアム・フィクトナーはいろんな映画に脇役で出てて、Mr. & Mrs. Smithではシュリンク役で声だけの出演。

*世の中には松崎しげる色ってのがあるらしい。ご参考。


2008
Dec
19
THE PRODUCERS プロデューサーズ コレクターズ・エディション [DVD]

ストーリー

1968年アカデミー脚本賞を受賞した映画、2001年その映画をミュージカル化しトニー賞12部門受賞など大ヒット、其れを元にしたミュージカル映画。

レビュー

老人ねた、ナチねた、下ねた、ゲイねた、のオンパレード、しかもミュージカルだからどうにもなじめない、、、のだけれど、そういった表面に隠れて、案外話としてはおもしろいのかも。。。お金という現実を望む男と夢や希望を望む男。二人はお互いの不足を補い奇妙な友情を育む。成功するために最低のものを作るもそのスキームは失敗に終わる。といったプロットを持ち出す事で、本当の成功とは何で、その為に必要な事は何か、を提示している。そんな風な本の良さと歌って踊ってというものがなんとはなく楽しい感じになってくるのはミュージカルの魔力でしょうか。
しかしながらやはり、ミュージカルと映画を一緒にするにはちょっと無理があるような気がする。むしろ1968年の映画を見てみたいところ。
事務所にリア王の絵(King Leer 正しくはLear王。Leerには流し目という意味がある。)があるんだけど、ユマ・サーマンが入ってくると目が動くんだよ。

マシュー・ブロデリックはサラ・ジェシカ・パーカーの旦那さんなんだね。トニー賞を2回も取ってるってことは舞台俳優としては一流なんでしょうね。